TOP
 >> 1089ブログ

1089ブログ

「鳥獣戯畫展」ができるまで~アメリカからの作品借用リポート

特別展「國寶 鳥獣戯畫のすべて」は、現在わかっている鳥獣戯畫巻の全ての場面をご覧いただけるよう、高山寺蔵の國寶4點に加え、かつてその一部だった斷簡と、今は失われている場面を過去に寫した模本、さらに、鎌倉時代に高山寺を再興した明恵上人にかかわる文化財も加えて鳥獣戯畫の世界をあますところなくご堪能いただく企畫です。
展示作品のうち3點は、海外からお借りした掛軸です。コロナ禍で昨年夏開催の予定が延期となり、いったんは白紙となったものの、新しい會期での貸與を改めてご検討いただき、幸いにもお借りすることができました。


釈教三十六歌仙絵巻斷簡 貞慶上人?明恵上人 南北朝時代?貞和3年(1347)
The Cleveland Museum of Art, Mr. and Mrs. William H. Marlatt Fund 1985.88


通常、作品貸與にあたっては、作品を所蔵する美術館から職員(コレクション管理擔當者や保存修復擔當者など)が作品に隨伴してくるのですが、日米雙方の感染癥対策のため、國內外での人の移動に制限があり、來日できません。そのため、クリーブランドからお借りした作品については、輸送から點検、展示の一連の作業をリモートで確認していただくことになりました。
作品が日本に到著し、無事展示されるまでの一端をリポートします。

まず、作品が空港に到著すると、飛行機から作品の入ったクレートを下ろし、トラックに積み込みます。トラックに積み込むところから、日本とアメリカの輸送會社が寫真のやり取りをして、各作業工程を現地の係員に確認してもらいました。
空港の制限エリア內での通話はできないので、コミュニケーションアプリを通じて寫真のやり取りをしました。


飛行機から降ろされたクレートの入った貨物コンテナ


作業の様子を寫真に撮って送ります

博物館に到著後、収蔵庫で環境にならし、數日後に展示です。
展示の際は、特別展用の収蔵庫からクレートを運ぶ様子をTeamsで中継、クレートの移動の様子から、クレートから作品を取り出し、點検、展示するまでを所蔵美術館の職員に確認してもらいます。

クリーブランド美術館でこの作業を擔當されたのは、3人。學蕓員のシネ―ドさん、レジストラーのグレッチェンさんは、昨年の當館の専門家交流事業に參加されました。また、保存修復擔當のサラさんは、2014年に當館で行ったクリーブランド美術館展の際、保存擔當として來日されました。いずれも當館館內の様子はよくご存じです。


先方とやり取りをしながら進めます

點検は、今回は館外の保存修復の専門家のご協力を得ました。

作品點検中、気になるところはズームアップし、確認しながら作業を進めていきます。


見づらいところはPCを近づけて確認いただきました

作品には特に問題もなく、ほっとしたところで、展示にかかります。


展示作業もご覧いただき、必要な時はご指示をいただきます


無事に作業終了することができました

現地は夜にもかかわらず、ご自宅からこちらの作業を見守っていただいたのは感謝の一言に盡きます。

アメリカ各地で感染爆発の中、クリーブランド美術館も一時期感染癥対策のため閉館となっていましたが、今は活動を再開、地域の方々が多く來館されています。
こうした非常時にもかかわらず、この展覧會にご出品をご快諾いただいたことに、改めて心よりお禮を申し上げたいと思います。これは、クリーブランド美術館と當館との長い交流ではぐくんだ友情の賜物でもあるかと思います。
初めてのリモートでの作業は大変でしたが、よい経験になりました。
新しい日常の中、このような新しい展覧會作業も増えていくのかもしれません。
簡単に海外に渡航できない日々がまだまだ続きますが、文化財を通して、世界との交流を感じていただければ幸いです。


 

カテゴリ:「國寶 鳥獣戯畫」

| 記事URL |

posted by 鬼頭智美(広報室長) at 2021年04月20日 (火)

 

 

はじめに

展示のイチオシやバックヤードの出來事など、トーハクスタッフによる最新情報をお屆けします。

 

 

カテゴリ一覧

 

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

 

他のブログを見る

更新情報

 

ページトップへ
a毛片免费全部播放完整